葬儀の基礎知識


●会葬について

親戚、知人、友人の不幸の知らせを受けた場合、何よりもいそいで弔問するのが礼儀です。
服装は平服でもさしつかえありませんが、地味に装う配慮が必要です。
数珠も持たずに弔問するような見識のない行動は慎みましょう。


遺族への弔意の表わし方
お悔みの言葉ほど難しいものはないといわれていますが、まごころがこもっている言葉や態度であることが第一。言葉少なに真剣な態度で心からのお悔みを述べましょう。
言葉がうまくでてこない時は、だまって謙虚な心で深くお辞儀をすれば、かえって心が伝わります。


弔電や手紙で心を伝える
不幸の知らせを受けても、都合ですぐには弔問できない場合があります。そんな時には、とりあえず弔電を打ちお悔みの心を伝え、葬儀には出席できるようにしたいものです。
また、やむをえない事情で葬儀にも出席できない場合は、弔電を打つだけでなく、代理者を出席させるか、お悔みの手紙を出すくらいの礼儀が必要でしょう。


弔問者の服装
通夜の席に出席する場合は、とりいそぎ弔問する場合と違って、ある程度服装を整えなければなりません。でも、遺族が準喪服であるのに弔問客が正式な喪服で出かけたのでは、どちらも気まずい思いをします。
先方の事情をよく考えて衣服を改めることが必要でしょう。
一般の弔問客の場合、だいたい略式で通用します。


葬儀や法事など仏前での焼香のしかたや線香のあげ方は宗派によって多少の違いがあります。
1.座礼による焼香
2.立礼による焼香


贈る場合のエチケット
死者にたむける香に代えてお金を包むのが香典です。ですから表書きも仏式の場合「御香典」「御香料」「御香華料」「御仏前」などと書くのが一般的です。
神式の場合は「御玉串料」か「御神料」、キリスト教式では「御花料」、カトリックの場合は「御ミサ料」とする場合が多いようです。先方の宗旨がはっきりわからない時は、「御霊前」と書けば、共通に失礼なく使えます。


贈る場合のエチケット
香典以外にも、花環、生花、盛花、菓子、果物籠、銘香などを贈ることが多いようですが、その時に気をつけておかなければならないことがあります。
宗教によって若干の違いがありますので、世話役との事前の打ち合わせが大切です。


一般会葬者は略装でOK
葬儀や告別式に列席することを「会葬」といいます。普通、遺族や親族などの葬儀参列者は喪服を着ますが、一般の会葬者は略装で参列してもかまいません。
略装というのは、男子なら黒か濃紺のスーツに地味なネクタイ、黒無地の靴下に黒靴をさします。
女性なら、黒系統や濃紺のスーツかワンピースに黒靴、和装の場合は地味な無地か縞物の着物に黒の羽織がよいでしょう。

●法要・供養について

納骨は、初七日あるいは三十五日、四十九日の法要の際に行います。

白木の位牌を四十九日法要までに塗位牌にされ、法要後仏壇に納めます。

満中陰とも云い、四十九日又は三十五日に法要を行います。
親族、故人の親しかった方々に参列していただきます。

新仏様の場合、仏壇は出来れば四十九日までに用意したいものです。
墓は短時間では大変ですので、一周忌あるいは三周忌までに建立されると良いでしょう。

七七日の忌明けに行いますが、事情により五七忌に行うこともあります。
※あくまでも一例であり、宗派や風習により多少異なります。
●様々な供養


死者の冥福を祈り、その霊をなぐさめるために忌日や命日に行う行事を「法要」といいます。 四十九日、百ヶ日、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、三十三回忌というように法要をします。法要の営み方は、各家のしきたりやその地方の風習、宗教、宗派によって異なりますので、年長者などに相談しましょう。


初七日(死後7日目)・二七日(死後14日目)・三七日(死後21日目)・四七日(死後28日目)・月忌(死後1ヶ月目)・五七日(死後35日目)・六七日(死後42日目)・七七日(死後49日目)とあり、最近では初七日と四十九日の法要の計二回だけが営まれているようです。


初七日
初七日の法要は、故人が亡くなった日から数えて七日目に行ないますが、遺骨が火葬場から帰ってきたときに、遺骨迎えの法要とあわせて初七日のお経をあげていただくことも多くなっています。

七七日(四十九日)
四十九日は、「満中陰」ともいわれ、忌日の中でも重要な日とされ、この日をもって忌明けをする習慣が一般的になっているので、近親者、友人、知人を招いて僧侶にお経をあげていただき、その後で忌明けの宴を開きます。

百ヶ日
百ヶ日の法要が新仏になった故人への初めての供養にあたります。

祥月命日
祥月は死亡した月、命日は亡くなった日のことをいいます。年回忌ばかりでなく毎年の同月同日の命日をさします。仏壇をきれいにし、供物や花をかざり、墓参りに行きましょう。


法要の日取りを決める
法要は故人の命日に行なうのが一番良いのですが、事情がいろいろある場合、命日よりあとにしないことがしきたりです。
規模と予算を決める
招待する人数によって会場、料理、引き出物等の予算を決めます。
引き出物の準備
先祖への心づくしという意味のものです。タオル・シーツ・のり・お茶などの日常必需品が一般的です。


お盆は、正式には「盂蘭盆会」といい、一年に一度、この日には死者の霊が家へ戻ってくるといわれ家庭では精霊棚を作り迎え火をたいてお迎えします。
盂蘭盆会とは、あの世へ行ってから、この世での業によって苦しんでいる先祖にかわり、生きている者が功徳をして、回向して救ってあげたいという願いが込められている行事です。


故人の忌明け(四十九日)がすんだあと、初めて迎えるお盆が「新盆」又は「初盆」となります。
親族、知人を招き、僧侶にお経をあげてもらい、精進料理をいただきます。


お盆・お彼岸・年忌法要の時宗派によっては「卒塔婆」を墓の後ろにたてるしきたりがあります。 卒塔婆は、故人の供養のために墓に立てる細長い板です。


三月の春分の日と、九月の秋分の日を中日として、その前後3日ずつを合わせて一週間を「彼岸」といいます。「おはぎ」「ぼたもち」をお供えし、彼岸の間、毎日、朝晩、仏壇に灯明やお線香をあげて礼拝しお墓参りをして故人をしのびます。

●葬儀のマナー


臨終の儀式
最後の別れの瞬間には、血のつながりの濃い順に「末期の水」を含ませてあげます。
臨終後は死亡通知を出すとともに葬儀社へ連絡し葬儀の用意に係ります。

死亡通知
亡くなられてから一番初めにするのが死亡の通知です。親類、知人にも死去したことを連絡します。
死亡を通知する際、通夜や告別式の日時が決まっていれば、あわせて知らせます。


弔問客を迎える準備
遺体を納棺、安置するとともに、家の中の整理を行ないます。家中の額や装飾品を取り除きます。
仏式葬儀の場合は神棚に、神式の場合は仏壇に、それぞれ半紙をはります。次に忌中の表示。
室内は祭壇を飾るところ、弔問客を迎えて接待をする部屋などを決めて、家具の整理をしておきます。
遺族は結婚指輪以外の装飾を全てはずし、地味な服装に着がえます。

葬儀の準備の大きな流れを下記に示しましたので、参考にして下さい。

1、喪主を決める
2、葬儀の方法・日時・予算の大ワクを決める
3、葬儀委員長・世話役なども決める
4、葬儀社に葬儀の依頼
5、死亡届を市区町村役場に提出
6、葬儀を行う神社(寺院)を決め、打ち合わせをする
7、棺・墓標・用具などの相談
8、当座帳・香典帳・会葬者芳名録・供物控え帳を用意する
9、死者の衣類その他を準備
10、受付係・会計・連絡係・記帳係・接待係・・・・を決め、精進料理・握り飯などの通夜の用意をする。


通夜の準備
まず、家の内外の点検をします。家の周囲を片づけたり、家の中の整理、必要な衣類や什器類の用意などを行ないます。祭壇の飾りつけは、すべて葬儀社の人がやってくれますが、持ち回れる小さな焼香台を準備したり、僧侶の座ぶとんの用意も必要です。

通夜の進め方
通夜の式は僧侶の読経ではじまり、喪主、遺族、親族、葬儀委員長、世話役、参回者などの順で焼香台を回して焼香をします。喪主は故人に代わって厚く礼を述べ、世話係が「お通夜ぶるまい」を告げて参回者一同、その席に着きます。遺族はそのまま仏前で通夜を続けます。


葬儀・告別式の準備
本来、葬儀は、遺族と近親者、特別縁故者が僧侶とともに故人のめい福を祈る儀式、また、告別式は一般の知己・友人との最後のお別れの儀式と別のものです。しかし、一般的には一体として行われているのが現実の姿です。
これら葬儀の一切の準備も、世話役と係の人たち、それに葬儀社の係員のあいだで万事整えます。
予定の時間内ですべてことが運ぶように、僧侶ともくわしく打ち合わせておくことが大切です。


あいさつ回りとは
葬儀の翌日または翌々日に、目上の人や近所、故人および喪主の勤め先、寺院や神社、教会、世話役などにお礼のあいさつに回ります。一般会葬者には、会葬礼状をもって、これに代えます。


香典返しとは
精進おとしや香典返しは、忌明け、喪の終了を告げるものです。
ですから通常四十九日に香典返しは行われます。寄付で香典返しに代えた場合でも、お礼のあいさつ状は必要です。


礼状は葬儀後にあらためて発送
弔問者、会葬者へのお礼は、黒枠のはがきを白封筒に入れて発送します。
告別式の帰りに渡すケースも増えてきましたが、本来は葬儀後にあらためて発送すべきものです。
●表書の心得
御 霊 前 ごれいぜん
霊前に金品を供えるときに用います。
仏式の葬儀では通常「御香典」「御香料」を使います。
仏式、神式、キリスト教式
御 靈 前 ごれいぜん
「御霊前」の旧字体。威儀を正す意味で旧字体を用いることがあります。
仏式、神式、キリスト教式
御 香 典 おこうでん/ごこうでん
死者の霊前に香のかわりに供える金包みに使います。
仏式
御 香 奠 おこうでん/ごこうでん
「御香典」と同じ意味。正式にはこの文字を使います。
仏式
御 香 料 ごこうりょう
「御香典」と同様に香のかわりに供える金包みに用います。他に「御香華料=おこうげりょう」
仏式
御 弔 料 おとむらいりょう
会社(団体)関係の葬儀に、会社(団体)名で弔慰金などを包むときに用います。
仏式
御 悔 おくやみ
死者を弔う意で、通夜などの霊前に供える金包みに用います。
仏式
御 供 おそなえ
葬儀の霊前に花や果物などを供えるときに用います。一般法要などにも使います。
仏式
御 神 前 ごしんぜん
弔事のほか、神の霊に供える意味で一般神事にも用います。他に「供神前」「幣料」
神式
御玉串料 おんたまぐしりょう
死者の霊前にささげる金包みのほか、一般的な神事でも用います。
神式
御 花 料 おはなりょう
キリスト教の弔事の金包みで、カトリック、プロテスタントとも一般的に使います。他に「御花輪(環)料」「御白花料」「弔慰料」。
キリスト教式
御弥撤料 おみさりょう
カトリックの弔事で、お金を供えるときに用います。「御ミサ料」と書くことがあります。
キリスト教式
御 偲 料 おんしのびりょう
死者の霊をしのぶ意味を込めて品物を供えるときに用います。
キリスト教式
御 布 施 おふせ
お寺や僧侶への礼金に用います。枕経、通夜、葬儀、戒名などのお礼などを含みます。
仏式
御 席 料 おせきりょう
葬儀を自宅以外〈お寺、教会、一般の斎場)で行った場合の礼金に用います。
仏式、神式、キリスト教式
御 車 代 おくるまだい
僧侶/神官/神父/牧師へのお足代として渡す金包みに用います。他に「御足衣料」「御車駕料」
仏式、神式キリスト、教式

こころざし、し、しるし
香典返し法要の引出物など宗派を問わずに用います。他に「粗品」
仏式、神式、キリスト教式

忌 明 志 きめいし
香典返しや忌明け法要の引出物に使います。他に「忌明」
仏式
満中陰志 まんちゅういんし
「忌明」と同じ意味で用います。
仏式
五十日祭志 ごじゅうにちさいし
五十日祭などの忌明に贈る香典返しや引出物に用います。「しのび草」とも書きます。
神式
御 膳 料 おぜんりょう
僧侶が飲食の接待を辞退した場合に渡す金包みに用います。他に「御斎料=おときりょう」
仏式
御食事料 おしょくじりょう
仏式の「御膳料」同様に神官が接待を辞退した場合に渡す金包みに用います。
神式
戒 名 料 かいみょうりょう
戒名を受けた礼金に用います。ただし浄土真宗では「法名料=ほうみょうりょう」を用います。
仏式
こころざし、し、しるし
葬儀全般でお世話になった人(世話役、火葬場の人、運転手など)への礼金に用います。
仏式、神式、キリスト教式
御 霊 前 ごれいぜん
霊前に金品を供えるときに用います。仏式では普通「御仏(佛)前」を使います。
仏式、神式、キリスト教式

御 仏 前 ごぶつぜん
法要で仏前に供える品物や金包みに用います。
仏式
御 佛 前 ごぶつぜん
「御仏前」旧字体。よりていねいな言い方となります。
仏式
御 香 料 ごこうりょう/おこうりょう
香のかわりに供える金包みに用います。他に「御供物料」「御菓子料」。
仏式
御 供 おそなえ
仏式の弔事全般で、仏前に品物を供えるときに用います。
仏式
御塔婆料 おとうばりょう
卒塔婆をあげる場合、施主(法要の場合は喪主とは言わない)に渡す金包みに用います。ただし浄土真宗は除きます。
仏式
御 花 料 おはなりょう
仏式では「御香料」と同意。キリスト教では、もてなしを受ける際の金包みに用います。
仏式、神式、キリスト教式
御 神 前 ごしんぜん
霊前に金品を供えるときに用います。一般的な神事でも使用。他に「幣料」「御初穂料」
神式
御玉串料 おんたまぐしりょう
霊前に玉串を捧げるときに使います。他に「御神饌料」「御榊料」
神式

御 布 施 おふせ
お寺や僧侶への礼金に用います。他に「御経料」「読経御礼」「御回向料」
仏式
御祭祀料 おさいしりょう
神官の礼金に用います。弔事だけでなく、一般的な神事にも使います。
神式
献 金 けんきん
「御花料」「御ミサ料」同様に協会への礼金に用います。神父・牧師への礼金には「御礼」を使います。
キリスト教式
こころざし、し、しるし
宗教を問わず、法要の席での引出物に用います。
仏式、神式、キリスト教式
粗 供 養 そくよう
仏式法要の席での引出物に用います。他に「供養志」
仏式
茶の子 ちゃのこ
法要の軽い引出物に使います。
仏式、神式
施餓鬼料 せがきりょう
百ヵ日法要などで無縁仏の供養も合わせて行う場合、お寺への礼金に用います。
仏式